廃車にするのは待って!「廃車」と「買取」どっちがお得?プロの見極めポイント
「長年連れ添った愛車が動かなくなった」「車検代が高額で、もう手放そうと考えている」 そんな時、多くの人が最初に思い浮かべるのが「廃車」という言葉です。しかし、安易に廃車手続きを進めてしまうのは非常に危険です。なぜなら、自分では「価値がない」と思い込んでいる車でも、実は「買取」によって数万、時には数十万円の現金に変わる可能性があるからです。
本記事では、廃車と買取の決定的な違いから、プロが教える「損をしないための見極めポイント」を徹底的に解説します。
1. そもそも「廃車」と「買取」は何が違うのか?
まず、それぞれの言葉の定義と、それによって発生する「お金の流れ」を整理しましょう。
廃車とは「車籍を抹消する手続き」
廃車とは、正確には「抹消登録」という法的な手続きを指します。
- 永久抹消登録: 車を解体し、二度と公道を走れないようにする。
- 一時抹消登録: 一時的に使用を中止し、税金の支払いを止める。
一般的に廃車を業者に依頼する場合、車の引き取り費用や解体費用、事務手数料が発生し、ユーザーが「費用を支払う」ケースが多くなります。
買取とは「車両を売却する取引」
買取は、中古車販売店や買取専門店に車を「売る」ことです。
- 中古車買取: 再販可能な状態の車を買い取る。
- 廃車買取: 事故車や故障車を「資源(鉄くず)」や「パーツ」として買い取る。
買取の場合、車に価値がつくため、ユーザーは「お金を受け取る」ことになります。
2. 「廃車」を選ぶと発生する3つのコスト
多くの人が「古い車だから廃車代を払ってでも引き取ってもらおう」と考えがちですが、廃車には以下のコストがかかることを理解しておく必要があります。
① 引き取り・レッカー費用
自走できない車の場合、レッカー車を手配する必要があります。距離にもよりますが、1万円〜3万円程度が相場です。
② 解体費用・事務手数料
車をスクラップにするための解体費用や、陸運局での書類手続き代行費用として、1万円〜2万円程度を請求されるのが一般的です。
③ リサイクル料金の確認
2005年以降に購入した車であれば、購入時にリサイクル料金を前払いしているはずですが、未払いの場合はここで支払いが発生します。
3. 「買取」が圧倒的にお得な理由とは?
「こんなボロボロの車が売れるわけがない」という思い込みは、現代の車市場では通用しません。買取がお得になる理由は主に3つあります。
① 海外での日本車の圧倒的な需要
日本では走行距離10万キロを超えると「寿命」とみなされることが多いですが、海外(特にアフリカや東南アジア)では、日本車は20万キロ、30万キロ走っても壊れない「高性能な資産」として高値で取引されています。動かなくても修理して乗る、あるいは部品として活用されるため、買取価格がつくのです。
② 中古パーツとしての価値
事故でフロントが大破していても、エンジンやドア、内装、電装品などは無事なケースがあります。これらのパーツは修理用の「中古部品」として需要があるため、解体業者や専門買取店は喜んで買い取ります。
③ 鉄資源としての価値
車は1トン前後の鉄やアルミでできています。市場の鉄スクラップ相場に応じて、最低でも「鉄の重さ分の価値」は保証されます。そのため、本来は「ゼロ円」や「マイナス(費用負担)」になることは稀なのです。
4. プロが教える「買取」か「廃車」かの見極め基準
ここが本記事の核心です。あなたの車をどちらに出すべきか、以下のフローで判断してください。
【ステップ1】自走可能か? 年式・走行距離は?
- 買取へ: 初年度登録から10年以内、かつ走行距離10万キロ未満であれば、一般的な「中古車買取店」で高値がつく可能性が高いです。
- 廃車買取へ: 15年以上経過、または20万キロ超え。この場合は、中古車買取店では「0円」と言われることが多いため、専門の「廃車買取業者」へ切り替えます。
【ステップ2】大きな故障や事故歴はあるか?
- 買取へ: 擦り傷や凹み程度なら、中古車買取店でOKです。
- 廃車買取へ: フレームまで歪んでいる事故車、エンジンが焼き付いた故障車、水没車。これらは「部品取り車」として廃車買取業者が強みを持ちます。
【ステップ3】還付金の存在を忘れていないか?
ここが非常に重要なポイントです。車を廃車(抹消登録)すると、すでに支払った税金が戻ってきます。
- 自動車税: 月割りで還付されます。
- 重量税: 車検が1ヶ月以上残っていれば還付されます。
- 自賠責保険: 解約すれば返戻金があります。
注意点: 一般的な買取店に売却する場合、これらの還付金は「査定額に含まれる」として曖昧にされることが多々あります。契約前に「税金の還付は別でもらえるのか、査定額に含まれているのか」を必ず確認してください。
5. 損をしないための業者選びのポイント
「買取」を選ぶにしても、どの業者に頼むかで手元に残る金額は大きく変わります。
① 一般的な中古車買取店(ガリバー、ビッグモーター、ネクステージ等)
向いている車: まだまだ現役で走れる、高年式の車。 メリット: 人気車種であれば、相場以上の価格が期待できる。 デメリット: 廃車に近い車だと、引き取り費用を請求されることもある。
② 廃車専門買取業者(ハイシャル、カーネクスト等)
向いている車: 不動車、事故車、過走行車、古い車。 メリット: レッカー代無料、手続き代行無料。どんな車でも0円以上で買い取る保証があることが多い。 デメリット: 再販可能な美車であっても、パーツ単位の査定になるため、中古車店より安くなることがある。
③ 地元の解体業者
向いている車: とにかくすぐに処分したい場合。 メリット: 中間マージンがない。 デメリット: 一般個人からの持ち込みを受け付けていない場合や、サービス対応が事務的な場合がある。
6. 実践!少しでも高く売るための3つのコツ
1円でも多く手元に残すために、以下の行動を実践しましょう。
1. 相見積もりは必須
最低でも3社には査定を依頼してください。今の時代、ネットの「一括査定サイト」を利用すれば、数分の入力で複数の回答が得られます。「A社は3万円と言っている」と伝えることで、B社が5万円に引き上げる、といった交渉も可能です。
2. 車検が切れる前に動く
車検が切れてしまうと、公道を走れなくなるため、必ずレッカー移動が必要になります。また、自動車税の還付額も月単位で減っていくため、手放すと決めたら1日でも早く行動するのが鉄則です。
3. 車内を清掃しておく
「廃車にするのだから汚くていい」というのは間違いです。査定士も人間です。車を大切に扱ってきたことが伝われば、査定時の印象が良くなり、プラスアルファの交渉がしやすくなります。
7. まとめ:まずは「買取査定」からスタートしよう
結論として、現代の車処分において「費用を払って廃車にする」という選択肢は、最終手段にすべきです。
どんなに古くても、どんなに壊れていても、その車には価値があります。まずは「中古車買取」として査定に出し、そこで値段がつかなければ「廃車買取専門店」に相談する。この2ステップを踏むだけで、あなたの手元には数万円の現金が残るはずです。
「面倒だから」と廃車手続きを業者に丸投げする前に、まずは一括査定サイトや専門店のサイトで、あなたの愛車の「本当の価値」を確かめてみてください。その数分の手間が、驚くほどのお得を生み出します。
あなたのカーライフの締めくくりが、納得のいく、そして損のないものになることを願っています。