自分でやる vs バイク屋に任せる。廃車手続きのメリット・デメリットを正直に比較
バイクを処分しようと考えた際、避けて通れないのが「廃車手続き」です。長年連れ添った愛車との別れ、あるいは不動車となった車両の整理など、理由は様々でしょう。
しかし、いざ手続きをしようとすると「自分で陸運局に行くべきか」「それともバイク屋に代行を頼むべきか」という疑問に直面します。ネット上には「自分でも簡単にできる」という声もあれば、「プロに任せるのが安全」という意見もあり、迷ってしまう方も少なくありません。
本記事では、125cc超の中型・大型バイクから、原付(125cc以下)までを対象に、自分で行う場合とバイク屋に任せる場合のメリット・デメリットを、費用・手間の両面から正直に徹底比較します。
1. バイクの廃車手続きには2つの種類がある
比較を始める前に、まず知っておくべきは「廃車手続きの種類」です。これによって、その後の手間や必要書類が変わってきます。
一時抹消登録(一時使用中止)
「しばらくバイクに乗る予定はないが、将来的に再登録して乗りたい」場合に選ぶ手続きです。ナンバープレートを返納し、自動車税の課税を止めます。
永久抹消登録(解体返納)
バイクを完全に解体(処分)し、二度とそのバイクに乗らない場合に選ぶ手続きです。事故車や、修理不能な車両の処分時に行います。
どちらの手続きであっても、「自分でやる」か「依頼する」かの選択肢が存在します。
2. 【自分でやる】場合のメリット・デメリット
自分ですべての手続きを行う最大の魅力は「コスト」にあります。しかし、その裏には見えないコスト(時間や労力)も隠れています。
自分でやるメリット
1. 代行手数料を100%カットできる
バイク屋に依頼すると、一般的に5,000円から15,000円程度の「廃車代行手数料」が発生します。自分で行えば、この費用は一切かかりません。
2. 自賠責保険の返還金が確実に手元に残る
廃車後に自賠責保険の有効期限が残っている場合、解約手続きを行うことで返還金(解約返戻金)が受け取れます。自分で行えば、保険会社とのやり取りも把握でき、還付を確実に処理できます。
3. 自動車税の月割り還付(※軽自動車税は除く)
排気量によっては、廃車時期に応じて自動車税が還付されるケースがあります。自分で手続きを進めることで、還付の有無を正確に確認できます。
自分でやるデメリット
1. 平日の日中に動かなければならない
最大の壁は、陸運局(運輸支局)や役所が「平日の日中(基本は16時頃まで)」しか受け付けていない点です。会社員の方であれば、有給休暇を取得する必要があるでしょう。
2. 慣れない書類作成と移動の手間
廃車届出書、手数料納付書など、普段見慣れない書類を記入する必要があります。また、自宅から陸運局が遠い場合、ナンバープレートを外して持ち込む往復の時間と交通費がかかります。
3. トラブル時の対応がすべて自己責任
「書類に不備があった」「前の所有者の情報がわからない」といったトラブルが発生した場合、すべて自分で解決策を探らなければなりません。
3. 【バイク屋に任せる】場合のメリット・デメリット
「餅は餅屋」という言葉通り、プロに任せる安心感は絶大です。しかし、そこにはビジネスとしての「費用」が発生します。
バイク屋に任せるメリット
1. 面倒な作業がゼロになる
あなたがやるべきことは、印鑑と必要書類を揃えてバイク屋に渡すだけです。陸運局へ足を運ぶ必要も、書類の書き方に悩む必要もありません。
2. 廃車と同時に車両の引き取り・処分が可能
不動車の場合、自分で陸運局に行く以前に「車両をどう動かすか」が問題になります。バイク屋なら、トラックで引き取りに来て、そのまま廃車・処分まで一括で引き受けてくれます。
3. 書類不備やミスによる二度手間がない
プロは手続きを熟知しています。住所変更が複雑なケースや、譲渡証明書が必要な場合でも、的確に案内してくれるため、スムーズに完了します。
バイク屋に任せるデメリット
1. 代行手数料が発生する
前述の通り、一定の手数料がかかります。格安バイクの処分の場合、車両価値よりも手数料の方が高くつくこともあります。
2. 返還金(自賠責)の説明が不十分な場合がある
一部の不親切な業者では、自賠責保険の返還金について説明せず、そのまま業者の利益にしてしまうケースが稀にあります。事前に「自賠責の返済はどうなるか」を確認する手間が生じます。
3. 完了までに時間がかかる場合がある
バイク屋も他の業務の合間に陸運局へ行くため、即日完了とはいかないことが多いです。数日から1週間程度の猶予をみる必要があります。
4. 廃車手続きに必要な書類一覧(排気量別)
自分でやることを選択した場合に備え、排気量ごとの必要書類を整理しました。
原付一種・二種(125cc以下)
場所:市区町村の役所
- ナンバープレート
- 標識交付証明書
- 本人確認書類
- 印鑑(認印で可)
軽二輪(126cc〜250cc)
場所:陸運局(運輸支局)
- ナンバープレート
- 軽自動車届出済証
- 軽自動車税申告書
- 印鑑
小型二輪(251cc以上)
場所:陸運局(運輸支局)
- ナンバープレート
- 車検証(自動車検査証)
- 手数料納付書(印紙貼付)
- 軽自動車税申告書
- 印鑑
5. 正直どっちがいい?判断基準を徹底比較
ここまでの内容をまとめ、あなたに合った選択肢を提示します。
「自分でやる」のがおすすめな人
- 平日に時間が取れる、あるいは陸運局が自宅から近い。
- とにかく1円でも安く済ませたい。
- 書類手続きが好き、または経験として一度やってみたい。
- バイクがまだ自走可能で、ナンバープレートを返納しに行くついでに最後のツーリングを楽しめる。
「バイク屋に任せる」のがおすすめな人
- 平日は仕事で忙しく、休みを潰したくない。
- バイクが動かない(不動車)、またはトラックなどの運搬手段がない。
- 書類の記入ミスや、手続きの漏れが不安。
- 買い替えを予定しており、下取りや購入時のサービスとして廃車を依頼できる。
6. バイク屋に任せる際の「落とし穴」を回避するコツ
もしバイク屋に任せることを選ぶなら、以下の3点を必ず確認してください。
- 「廃車証明書(写し)」を後でもらえるか 手続きが完了した証拠がないと、後でトラブル(税金の請求が来るなど)になった際に困ります。
- 自賠責保険の還付手続きはどうなるか 「解約書類を自分で送る」のか「バイク屋が代行してくれる」のかを明確にしましょう。
- 総額でいくらかかるか 「代行料」だけでなく「車両処分料」「レッカー代」などが別途かかる場合があります。
7. 意外な第3の選択肢「買取業者」を活用する
「自分でやるのは面倒だが、バイク屋に手数料を払うのも嫌だ」という方に最適なのが、バイク買取業者の利用です。
たとえボロボロの不動車であっても、買取業者であれば「無料で廃車手続きを代行」してくれるケースが多いです。なぜなら、彼らにとっては廃車手続きを代行してでも、車両(またはパーツ)を確保するメリットがあるからです。
「廃車=お金がかかる」と思い込まず、まずは無料査定に出してみることで、手数料を支払うどころか、逆にお金が戻ってくる可能性もあります。
8. まとめ
バイクの廃車手続きは、決して難しいものではありません。しかし、「時間」を売って「お金」を節約する(自分で行う)か、「お金」を払って「時間と安心」を買う(バイク屋に任せる)かという選択は、あなたの現在のライフスタイルに直結します。
- 125cc以下の原付なら、役所で簡単に終わるため、自分でやるメリットが大きいです。
- 250cc以上のバイクで、陸運局が遠い場合や不動車の場合は、プロに任せるのが合理的です。
自分の状況を冷静に分析し、最もストレスのない方法を選んでください。廃車手続きが完了して初めて、あなたと愛車の関係はひと区切りとなります。最後の手続きを正しく行い、気持ちよく次のステップへ進みましょう。